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松井茂 CD「時の声」

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松井 茂「通路 ─ 入口から出口まで」

本CDに収録した音源は、詩集『時の声』(photographers' gallery、2010年6月)にかかわる、入口から出口までの出来事だ。この通路の手がかりとして、詩集に寄せた解説を再掲する。

本詩集は、録音・再生・中継・複製・変換・編集に関する技術と現象を主題とし、photographers' galleryにおける「REPLAY」(2009年7月4日~10日)、「GLOSSOLALIA」(2009年11月3日~16日)、「Asynchronous」(2010年3月3日)、「ACOUSMATIC」(2010年5月25日~6月6日)に基づいて、以下の過程を追って編まれた。

(1)松井 茂がICレコーダーで録音した具体音を素材に、QuickTimeで編集した「具体詩」を制作(「REPLAY」)。

(2)さかいれいしうが「具体詩」をイヤフォンで聴取しながらオノマトペ(擬音語、擬態語、擬情語)化し、森永泰弘がマイクロフォンで録音し編集した録音版「音声詩」を制作(「GLOSSOLALIA」「Asynchronous」)。

(3)武石 藍が録音版「音声詩」を仮名原稿化し、松井 茂が編集したテキスト版「音声詩」を制作(「ACOUSMATIC」)。

「時の声」のみは、松井 茂が録音版「音声詩」を仮名原稿化し、編集制作(「朝日新聞」2009年9月12日夕刊に「音声詩 時の声」として掲載)。


松井 茂 Shigeru Matsui
1975年東京生まれ。詩人、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)教授。詩集に『同時並列回路』『量子詩』『オルガ・ブロスキーの墓』(Aloalo International、2006)、『音声詩 時の声』(photographers' gallery、2010)など。著書に『虚像培養芸術論 アートとテレビジョンの想像力』(フィルムアート社、2021)、編著に『虚像の時代 東野芳明美術批評選』(河出書房新社、2013)、『日本の電子音楽 続 インタビュー編』(engine books、2013)。論文に「今野勉 ラディカルなテレビ表現をするレジスタンス」(『放送研究と調査』、2015)など。展覧会の監修に「磯崎新 12×5=60」展(ワタリウム美術館、2014)など。

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